今回は、ばい菌の検査方法について、少しご説明します。
耳鼻科や皮膚科では、耳だれ、鼻水、のどの膿、皮膚の膿 などの、膿が出る病気で、治りにくそうな場合には、どんな細菌で炎症を起こしているか、調べる検査があります。これを、細菌検査といいます、膿を拭い取り培地に入れて検査に出します。もちろん、痛みは、ほとんど無い検査です。
検査では、まずは、顕微鏡で観察し、その後に、色々な寒天培地を用いて、鶏の卵をひよこにするために温める様な器具内で細菌を育てて、判定します。すなわち、検査には時間がかかります。
育った菌を使用して、手間をかけて、どのような抗生物質に効果があるかを調べ治療に役立てます。
この、写真の例は(急性化膿性中耳炎の例です)
@顕微鏡ではグラム陽性球菌、真菌(カビ)と判定されています
A培養の結果は、aureus黄色ブドウ球菌という判定ですが、MRSAという抗生物質が効きにくい菌が出ています。
B薬剤の感受性(効果)は、R(効果が弱い)が多くみられ、やはり抗生物質の効果が期待できない菌と思われます
この患者さんの場合は、薬の効果が期待できないので、出来るだけ通院していただき、耳の洗浄などをして治すことになります。
この検査の結果は、英語などの難しい菌の名前が出ることも多く、素人の患者さんの理解を越えていることが多いですね。したがって、この検査は、患者さんへの説明というより、むしろ、医師の薬の選択や、治療方法の検討に用いられることが多い検査です。
以上、ご理解いただけましたでしょうか!
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