最近、熱が出た子供の患者さんの中で、アデノウウイルスによると思われる例が見られるようになりました。
昨日、他院で治療中だが、熱が下がらないと訴えて来院された子供さんがお見えになりました。
・鼓膜は、問題なし(急性中耳炎でも熱が続くことがあります)
・鼻水は、膿性で細菌性感染症かと思いました
・咽頭は、扁桃が赤く、白い膿を持っていました、急性化膿性扁桃炎の熱と思われましたが。気になったので念のために、溶連菌とアデノウイルスの迅速キットを行いました(咽頭のぬぐい液で10分程度で判定できます)。以下は、その写真ですが。上が溶連菌のプレート、下がアデノのプレート。「C」のラインはコントロールと言って正常に検査が行われたという証拠のラインです。アデノの「T」の部分に、余分なラインが見られます、これが陽性反応です。溶連菌のプレート(strep Aと書いてある)は、Cだけにしかラインが出ず陰性です。従って、アデノウイルスによる感染症でした。
アデノウイルスは、夏風邪の一種で、プールの時期によく流行ることから、「プール熱」とも、咽頭炎や結膜炎を起こすことから「咽頭結膜熱」とも言われています。
【特徴】
・プールだけで感染するわけでなく、接触、飛沫感染します
・潜伏期間は、数日5〜7日ぐらいでしょうか、感染力は非常に強いですよ。
・咽頭炎、結膜炎、高熱 が三大症状ですが、すべて揃わないことも多いですね。
症状は、3〜7日間ぐらい続きます、腹痛や下痢を伴うこともあります。
時には2週間程度かかることもあります(眼科などでは)
・治療は、アデノに効果のある保健薬はありません、対症療法が中心です
【注意点】
・目の症状があれば眼科も受診しましょう
・感染力が強いので、手洗いはこまめに!タイルなども別けて使いましょう
・以上の症状が消えてから、2日間は出席停止(学校伝染病で法律で決まっています)
【補足】
・大人がなると、重症化することがあります。
・治った後も2週間〜時には1ヶ月程度ウイルスの排出を続けるとのことで、糞便などの2次感染に注意が必要です。その為、児童は基本的に1ヶ月程度プールへの参加は控えましょう(施設によって基準は異なりますので、詳しくは、学校管理者や校医にご確認ください)。
通常は、内科小児科で診断治療することが多いですが、当然のことながら、中耳炎や扁桃炎を扱う耳鼻科にも、高熱を心配され来院されることがあります。その場合は、中耳炎、副鼻腔炎のチェックや、溶連菌感染症、アデノ、インフル、普通の風邪、扁桃炎など、可能な範囲で当院でも検査しますが、基本、熱発が続く場合は、小児科内科にも受診してくださいね。
皆さん、夏風邪にご注意下さいね。
【 名古屋市名東区 | 松永クリニック | 耳鼻咽喉科 | アデノ|プール熱 】
2013年06月08日
夏風邪「アデノウイルス」による感染症が増加中
posted by 院長 at 16:14| 医療情報「のど」