2022年04月18日

亜鉛と味覚

その症状は、亜鉛不足かもしれません!

味がわかりにくい
元気がない
皮膚が乾燥する

などなど、亜鉛不足で色々な症状が出てきます
採血で血中亜鉛濃度を確認しつつ、亜鉛を内服して頂くと改善する場合もあります

最近の話題の一つにコロナ後遺症があります
当院に来院される、コロナ後遺症で味覚障害の方を採血してみますと、亜鉛不足の方がお見えになります。
当院では例数が少なく、コロナと亜鉛不足については、何とも言えませんが。
色々な可能性があります
例えば
1,コロナにかかる以前より亜鉛不足があったから、味覚障害になったのか
2,自宅や施設でコロナ療養中に、食欲不振、胃腸障害、偏った食事によって亜鉛不足になったのか
3,後遺症の症状の一つに、亜鉛不足があるのか
4,まったく関係ないのか
考えればきりがないですが、これからの研究が待たれるところです。

しかしながら、上咽頭の処置や、亜鉛の投与の組み合わせで、味覚や嗅覚が改善する場合があります
不幸にも改善が見られない方も見えますが
お困りの方は、まずは、お近くの耳鼻科でご相談を

松永クリニック /耳鼻咽喉科/皮膚科

posted by 院長 at 20:22| 医療情報「のど」

2017年01月12日

のど 魚骨の異物

今日は、のどの魚骨の異物デー でした(笑)
のどに魚の骨が刺さったという方が、午前1名 午後1名 あり、お二人ともにアジの骨でした
みなさん御注意下さいね
久しぶりに内視鏡写真をアップしますね
画像処理により骨の位置が明瞭となりました、鉗子で除去しました
(午前に来院された方は、他の耳鼻科では設備がなく取れないと言われて、当院に受診されました。当院で、摘出することが出来て良かったです。)

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かなり長さのある骨でした、大変でした。


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これは、長さはありますが細い骨で、喉頭が胃の裏に入っており大変でした(他の耳鼻科で取れなかった方です)


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これは、おまけですが
異物感を訴えておりました
喉頭がいにのう胞が出来ていました。経過観察症例です。

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2015年09月07日

急性喉頭蓋炎、急性喉頭炎

 最近、朝晩が冷え込むせいか、風邪気味の方が増えてきました。
一部の方には、喉頭の炎症を示す場合もあります。
この写真は、実は、6月に診察した方ですが、喉頭、特に披裂軟骨、喉頭蓋 などの腫脹が認められました。呼吸困難が予想され、大きな病院へ紹介し入院となったケースです。

最近も、このような症例の方が見られました。たかが、のどの風邪と思わずに、痛みが強いときには耳鼻科を受診しましょう。不思議と、春・秋に、このような方が増える気がします。季節の変わり目がいけないのでしょうね。

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2015年09月04日

口腔内〜喉頭熱傷

 火傷ヤケドにも、色々な場所があります。
あわてて食べると、口の中がやけどします。また、熱いものを、飲み込むと、食道の入口や、下咽頭、喉頭、などをやけどします。
 この方は、あわてて、熱いお豆腐を食べて、喉頭のやけどをした方です。治るまでには2週間ぐらいかかりそうです。皆さま、注意してくださいね。
内視鏡写真を提示します(青い画像は、当院の内視鏡ソフトにより、火傷の部位が判りやすいように画像処理をしています)
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タグ:のどの病気
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2014年09月01日

面白い記事

 経鼻喉頭ファイバースコープ検査およびアレルギー検査を受けた患者88人を対象に、アトピーの診断における内視鏡所見の有用性を症例対照解析で検討。耳管隆起の異常(P=0.007)および鼻咽腔の分泌物増加(P=0.038)はアトピー性疾患の予測因子だった。アトピー陽性は喉頭よりも鼻咽頭内の検査所見で予測されることが示唆された。
「アレルギー(アトピー)診断、鼻咽頭内視鏡で予測」という記事ですが・・・・臨床的には一部に疑問も感じますが、面白いので、原文を以下に提示します。

文献:Brook C,et al.Predictive findings of allergic disease in fiberoptic nasolaryngoscopy.Laryngoscope. 2014 Aug 14. doi: 10.1002/lary.24880. [Epub ahead of print]

Objectives/Hypothesis
To determine whether findings on fiberoptic nasolaryngoscopy beyond the nasal cavity can aid in diagnosis of atopy.
Study Design
Case control analysis of patients undergoing fiberoptic nasolaryngoscopy and allergy testing at a single academic institution.
Methods
Patients who underwent flexible nasolaryngoscopy for either laryngeal or nasal symptoms and allergy testing by in vitro methods were divided into an atopic group and a nonatopic control group based on results of allergy testing. Three board-certified otolaryngologists who were blinded to the atopic status and symptoms viewed 88 patient videos and filled out an 8-item endoscopic rating questionnaire for each. Correlation between rater scores, endoscopic findings, and atopic status was calculated using Randolph's multirater kappa values and Mann-Whitney test.
Results
Intrarater reliability was moderate to perfect for all physicians on all questions (kappa 0.545–1.0). Inter-rater reliability was slight to fair (kappa 0.143–0.399) for all questions and the overall impression of atopic disease. Abnormalities of the torus tubarius (P = .007) and increased nasopharyngeal secretions (P = .038) were predictive of atopic disease, whereas the presence of an adenoid (P = .08) and impression of atopic disease (P = .15) approached significance. All other endoscopic measures were not predictive of atopic status.
Conclusions
Fiberoptic nasolaryngeal findings within the nasopharynx rather than the larynx are predictive of a positive atopic status.
Level of Evidence
3b. Laryngoscope, 2014

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2014年06月02日

喉頭外傷

 先月に経験した珍しい症例です。完治したのでご報告いたしますね。

小学生の症例です
遊んでいるときに、転んで、のどを強打したようです。息苦しく、嗄声もあり、嚥下も辛いようでした。

来院時の、内視鏡写真が示すように、一部に内出血と強い充血が見られますが、腫れは少なく、呼吸も苦しくはなく、声帯の動きも良好の為に、当院で治療することにしました。
腫れを抑えるためにの特殊な薬を使用し、翌日には腫れはあまりなく、嗄声も軽快し、事なきを得ました。
少し冷や冷やしましたが、治ってよかったです。珍しい症例でした。

なお、嗄声に関してですが。今回の事故とは関係なく、部活が運動部で、いつも声を出しているようです。したがって、以前から、声帯に結節が出来ているようで、声帯結節も認めますね。

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2014年01月09日

声帯ポリープ

 高校生が声が嗄れたと言って来られました。
喉頭の内視鏡で検査をすぐに行いました。
咽喉の内視鏡検査は、痛み止めのスプレーなどで軽く鼻を麻酔し、すぐに実施可能です、小学生でも泣かずにやれますよ(笑)。鼻から入れるために、ゲ〜となる反射もあまりありませんのでご安心ください。
写真のように、右の声帯にポリープを認めました(写真の⇒の方向)、反対側には炎症を起こした粘膜が見えます。
原因は、部活のようです。野球部で大きな声を出したのが原因と思われます。
声の安静を指示すると同時に、内服などの処方を行いました。
2〜3か月、声を安静にしてもよくならない場合には手術の治療になる場合があります。
 嗄声(声枯れ)には、喉頭癌などの色々な病気が原因することもありますので、自己判断せずに耳鼻科に受診してくださいね。

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2013年12月26日

甲状腺腫瘍に伴う反回神経麻痺

 12月の初旬に、咽喉の痛みを訴えて来院された女性の方です。
内視鏡で、確かに、咽喉の炎症があり、風邪薬を処方して良くなりました。
私どもは、のどの炎症の際には、通常、頸部を触診することにしています。その際に、右の首の前(前頸部)、甲状腺の位置に腫瘤を認めました。近隣の内科で高血圧の治療をされていたので、主治医の先生にご連絡して甲状腺の精査を依頼しました。
 なんと、その2週間後に、声がれ(嗄声)を訴えて、もう一度、当院に来られました。
内視鏡で確認しました。2回目の内視鏡検査では、右の声帯が動いてないようでした、これは、喉頭神経麻痺(反回神経麻痺)といって、声帯の筋肉を動かす神経が麻痺しているために、声帯が閉じずに声が嗄れたものと思われます。
 甲状腺の病気により、その横を走行している喉頭神経を巻き込んだり圧迫したりすることがあります。その場合に神経障害が出て声が嗄れる場合があります。
 皆さん、声枯れの原因には、さまざまな病気が隠れていることがあり注意が必要です。気になったら耳鼻科を受診してくださいね。

写真で矢印の方向が右の声帯になります(内視鏡の写真です) 「吸気時」 「呼気時」
左の声帯に比べて、右の声帯(→)の動きが悪いのを、確認できます
ご説明しても、この所見(写真)を読むのは熟練が必要です、言葉だけではなかなか理解できないですね、お許しください。

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2013年12月13日

「声帯結節」 おしゃべり好きな女性

 久々に、病気のご紹介
比較的、ご高齢の女性の方でした、最近声が枯れる(嗄声させい)を訴えて来院されました。
歌も歌わず、風邪も引いてないとのこと、声を出すこともあまりないとのことでした。
内視鏡で確認しますと
両側の声帯に、小さな節(結節と呼びますが)を認めました、発生時には、声帯が完全に閉鎖しない様子をよく見られます。これは、腫瘍ではなく良性の物ですので心配はないですが、声を出すのにストレスとなります。これは、声の出し過ぎ以外には考えられません。
ご本人に、もう一度確認いたしました、立て板に水(笑)という感じで、おしゃべりされていました。ご自分ではあまりしゃべってないつもりのようですが(笑)声の安静を指示し、飲み薬を処方いたしました。
酷くなると手術が必要になることもあります、学校の先生や政治家の先生なども注意が必要ですね。

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2013年06月08日

夏風邪「アデノウイルス」による感染症が増加中

 最近、熱が出た子供の患者さんの中で、アデノウウイルスによると思われる例が見られるようになりました。

 昨日、他院で治療中だが、熱が下がらないと訴えて来院された子供さんがお見えになりました。
・鼓膜は、問題なし(急性中耳炎でも熱が続くことがあります)
・鼻水は、膿性で細菌性感染症かと思いました
・咽頭は、扁桃が赤く、白い膿を持っていました、急性化膿性扁桃炎の熱と思われましたが。気になったので念のために、溶連菌とアデノウイルスの迅速キットを行いました(咽頭のぬぐい液で10分程度で判定できます)。以下は、その写真ですが。上が溶連菌のプレート、下がアデノのプレート。「C」のラインはコントロールと言って正常に検査が行われたという証拠のラインです。アデノの「T」の部分に、余分なラインが見られます、これが陽性反応です。溶連菌のプレート(strep Aと書いてある)は、Cだけにしかラインが出ず陰性です。従って、アデノウイルスによる感染症でした。

 アデノウイルスは、夏風邪の一種で、プールの時期によく流行ることから、「プール熱」とも、咽頭炎や結膜炎を起こすことから「咽頭結膜熱」とも言われています。
【特徴】
・プールだけで感染するわけでなく、接触、飛沫感染します
・潜伏期間は、数日5〜7日ぐらいでしょうか、感染力は非常に強いですよ。
・咽頭炎、結膜炎、高熱 が三大症状ですが、すべて揃わないことも多いですね。
 症状は、3〜7日間ぐらい続きます、腹痛や下痢を伴うこともあります。
 時には2週間程度かかることもあります(眼科などでは)
・治療は、アデノに効果のある保健薬はありません、対症療法が中心です

【注意点】
・目の症状があれば眼科も受診しましょう
・感染力が強いので、手洗いはこまめに!タイルなども別けて使いましょう
・以上の症状が消えてから、2日間は出席停止(学校伝染病で法律で決まっています)

【補足】
・大人がなると、重症化することがあります。
・治った後も2週間〜時には1ヶ月程度ウイルスの排出を続けるとのことで、糞便などの2次感染に注意が必要です。その為、児童は基本的に1ヶ月程度プールへの参加は控えましょう(施設によって基準は異なりますので、詳しくは、学校管理者や校医にご確認ください)。

 通常は、内科小児科で診断治療することが多いですが、当然のことながら、中耳炎や扁桃炎を扱う耳鼻科にも、高熱を心配され来院されることがあります。その場合は、中耳炎、副鼻腔炎のチェックや、溶連菌感染症、アデノ、インフル、普通の風邪、扁桃炎など、可能な範囲で当院でも検査しますが、基本、熱発が続く場合は、小児科内科にも受診してくださいね。
 皆さん、夏風邪にご注意下さいね。

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posted by 院長 at 16:14| 医療情報「のど」